これまでヘッジファンドへの投資は、主にプロ投資家や富裕層に限られていましたが、現在では個人投資家にも可能性が広がっています。
しかしヘッジファンドへの投資に際しては、リスクや注意点を事前に理解しておくことが重要です。
本記事では、個人投資家がヘッジファンドに申し込む方法や留意すべき点を解説し、個人投資家におすすめの優良ヘッジファンドを紹介します。
現在は、個人投資家でも年利10%以上の利益を出し続ける優良ファンドを購入できる時代です。
本記事を参考に、ヘッジファンド投資のメリット・デメリットを理解し、資産形成の一環として検討してみてください。
個人でもヘッジファンドで資産運用できる時代に
ヘッジファンドといえば「限られた富裕層やプロ投資家向けのもの」というイメージが強いですが、近年では個人投資家が海外や日本国内のヘッジファンドに投資し、年利10%以上のリターンを得ている例も少なくありません。
ここではプロ投資家向けファンドと個人投資家向けヘッジファンドの違いについて解説します。
プロ投資家向けファンドとは
プロ投資家向けファンドは適格機関投資家向けのファンドで、主に証券会社や銀行などが運用、販売しています。
ベンチャー企業の支援を目的とし、資金調達の融通性確保や活性化を促すために設けられた制度です。
しかし、投資経験の乏しい高齢者への販売などのトラブルが報告されたことから、金融庁は金融商品取引法を改正し、投資家要件の厳格化や届出書の内容拡充などを行いました。
個人投資家向けのファンドとは
個人投資家向けのファンドは、一般の投資家が利用できる投資商品で、株式、債券、不動産など多様な資産への分散投資が可能です。
これらのファンドは、プロの運用管理者により運用され、個々の投資家が直接個別の資産を選ぶ手間やリスクを低減しながら資産を運用できるように設計されています。
個人投資家向けファンドは以下のようにさまざまな形態で提供されます。
- 投資信託
- ETF(上場投資信託)
- ミューチュアルファンド
- 個人向けヘッジファンド
個人投資家向けファンドの最大のメリットは、少額から投資を始められる点です。
資産規模に関わらず、多くの人々が株式市場やその他の投資市場へにアクセス可能になります。
さらに、プロのファンドマネージャーによる専門的な管理と、異なる資産への分散投資により、リスクを分散し長期的な資産形成を目指すことが可能です。
ただし、個人投資家向けのファンドには管理費用や運用手数料がかかるのが一般的で、これらのコストが投資リターンに影響を及ぼすことがあります。
また市場の状況によっては、資産価値が減少するリスクもあるため、投資前には自身の投資目標、リスク許容度、投資期間を考慮することが重要です。
個人投資家がヘッジファンドを購入する方法
個人投資家がヘッジファンドを購入するには、以下のような手段があります。
- ヘッジファンドに個人で直接申し込む
- 証券会社を通じて
- 知人からの紹介
- プライベートバンクを通じて
- 投資助言会社を通じて
ヘッジファンドに個人で直接申し込む
個人投資家がヘッジファンドを購入する方法の1つ目は、気になるヘッジファンド会社に直接申し込む方法です。
ヘッジファンド会社に直接申し込むメリットは、手数料を最小限に抑えらえる点です。
証券会社などを通じて申し込むと、紹介料などが発生し、利回りが良い商品でも実質的な利益が減少してしまいます。
ただし個人がヘッジファンドに直接申し込む際は、海外ヘッジファンドの場合は言葉の壁がある点や、そもそも紹介なしでは申し込めないヘッジファンド会社もある点に注意が必要です。
証券会社を通じて
個人投資家がヘッジファンドを購入する方法の2つ目は、証券会社を通じて直接申し込む方法です。
この場合、基本的には日本国内の証券会社や銀行を通じてヘッジファンドを購入することになります。
このようなヘッジファンドは、日本の投資信託の規制範囲内で行われるため、いわゆる投資信託に近い商品になり、高いリターンは望めません。
また海外ヘッジファンドに投資する形で運用される投資信託では、海外ヘッジファンドが大きな利益を出しても中間マージンによる利益減少が生じることもあります。
知人からの紹介
個人投資家がヘッジファンドを購入する方法の3つ目は、知人からの紹介です。
すでにヘッジファンド投資を行っている友人・知人がいれば、紹介してもらう方法があります。
このようなヘッジファンドは投資家の質を担保するため、紹介なしでは購入できない仕組みになっています。
すでに投資している人の知人であれば投資家の質を担保できると見込まれ、購入できるというわけです。
プライベートバンクを通じて
個人投資家がヘッジファンドを購入する方法の4つ目は、プライベートバンクを通じて購入する方法です。
日本ではクレディ・スイス証券やUBSウェルス・マネジメントなどを通じて購入可能ですが、口座開設に必要な資金がそれぞれ5億円、2億円と高額なため注意が必要です。
また、これらの銀行は日本の金融庁の管轄下にあるため、販売している投資信託は他の銀行や証券会社が販売しているものと同一となります。
「投資一任勘定」によりプライベートバンクに資金を託して運用を任せる方法がありますが、最低投資額が数億円以上である点や、投資先ヘッジファンドの選択肢が限られている点には注意が必要です。
投資助言会社を通じて
個人投資家がヘッジファンドを購入する方法の5つ目は、投資助言会社を通じて購入する方法です。
証券会社や銀行では、ファンドからの手数料を目的として、運用実績のよくない投資信託を販売することがあるといわれています。
一方で投資助言会社はファンド側から手数料を受け取らず、投資家側からのみ投資助言料を受け取るため、中立的な立場で優良ファンドを紹介できるのです。
ただし、投資助言料が毎年かかったり、別途コンサルティング料が発生したり、その他契約料や解約料がかかったりする場合がある点には注意が必要です。
個人がヘッジファンド投資を始める際の注意点・リスク
個人がヘッジファンド投資を始める際は、以下のような注意点やリスクがあります。
- 申し込み方法によって実質利回りが変わる
- 情報開示が少ない業者もいる
- 元本割れ・損失が出るリスクがある
- 詐欺業者がいる
- 最低投資額は1000万円が基本
申し込み方法によって実質利回りが変わる
個人がヘッジファンド投資を始める際の注意点1つ目は、申し込み方法によって実質利回りが変わってくる点です。
海外のヘッジファンド会社に直接投資できれば、管理コストを差し引いたリターンがそのまま投資家の利益となります。
一方で海外のヘッジファンド会社に国内の証券会社や銀行を通じて投資する場合、投資家は日本の証券会社を通じて購入し、日本の証券会社は海外の証券会社から購入、海外の証券会社は海外のヘッジファンドから購入、というように仲介業者が多くなってしまいます。
そのため、たとえ海外のヘッジファンド会社が年利10%の利益を出していたとしても、投資家の実質利回りが3%前後になってしまうことも少なくありません。
情報開示が少ない業者もいる
個人がヘッジファンド投資を始める際の注意点2つ目は、情報開示が少ない業者もいる点です。
一般的な投資信託であれば、投資先銘柄の詳細が開示されています。
一方ヘッジファンドでは投資先銘柄を一般に公開する義務はないため、どのような銘柄に投資しているか公開はしていないのが一般的です。
ただし、顧客向けには説明責任があるため公開するのが一般的です。たとえば四半期に1回など定期的に運用パフォーマンスを記載した資料や報告書を送付しています。
元本割れ・損失が出るリスクがある
個人がヘッジファンド投資を始める際の注意点3つ目は、元本割れ・損失が出るリスクがある点です。
年利10%以上の運用を10年以上継続しているヘッジファンド業者がいる一方で、マイナスを出してしまっているヘッジファンド会社がいるのも事実です。
投資のプロであるヘッジファンドであっても、市場の急変などによりマイナスを出し、元本割れ・損失が出るリスクがある点には注意しましょう。
詐欺業者がいる
個人がヘッジファンド投資を始める際の注意点4つ目は、詐欺業者がいる可能性がある点です。
代表的な詐欺としては「ポンジスキーム」が挙げられます。
ポンジスキームとは投資家からお金を集め、その資金を運用せずに騙し取る手法です。
ヘッジファンドによる詐欺では、集めたお金から定期的に配当金を配ることで投資家を安心させ、追加投資を募ったりすることもあります。
そのため詐欺と気づくのは数カ月後や数年後となることもあるようです。
ポンジスキームは古くからある手法ですが、近年では仮想通貨などを用いた同様の手口による詐欺事件も発生しているため注意しましょう。
最低投資額は1000万円が基本
個人がヘッジファンド投資を始める際の注意点5つ目は、最低投資額は1000万円が基本という点です。
個人でもヘッジファンド投資ができるようになったとはいえ、ある程度まとまった資金が必要なことに変わりはありません。
中には数百万円程度から投資可能なヘッジファンド会社もありますが、基本的には最低投資額は1000万円と覚えておきましょう。
【個人向け】日本のおすすめヘッジファンド2選
個人でも投資できる日本国内のおすすめヘッジファンド2選を紹介します。
ヘッジファンド会社 | 期待利回り | 投資対象 | |
1位 | BMキャピタル | 10%〜20% | バリュー株 |
2位 | ハイクアインターナショナル | 12% | 事業融資 |
上記以外のヘッジファンドは以下の記事で紹介しています。
BMキャピタル
社名 | ビーエムキャピタル合同会社 |
設立年 | 2013年 |
投資対象 | 日本株など |
戦略 | バリュー株投資など |
期待利回り | 年利10%以上 |
最低投資額 | 1000万円 *相談により1000万円未満も可 |
資料請求・ 運用の相談 | 無料 |
面談の形式 | オンラインまたは対面 |
ロックアップ期間 | 3ヶ月 *3ヶ月に1回出金、解約可能 |
公式サイト | BMキャピタル公式サイト |
国内ヘッジファンドランキング1位は「BMキャピタル」です。
BMキャピタルは2013年に設立された、10年以上の運営歴を持つ信頼性の高いヘッジファンド。
東大卒・バークレー出身の優秀なファンドマネージャーや、大手外資系銀行出身者などのプロフェッショナルなメンバーが在籍しています。
BMキャピタルの主な強みは以下の通りです。
- 平均年利10%以上でマイナス年度がない
- バリュー株投資を中心とした運用
- 高いリスク管理能力
- 初心者にもわかりやすい運用報告書
特にバリュー株投資は過小評価されている株を購入し、その価値が再評価された際に売却する方法のため、市場の暴落時でもリスクを最小限に抑えられます。
また、安定した利回りとリスク管理を重視する投資方針が特徴としており、以下のようなさまざまな市場の暴落にもかかわらず、毎年プラス収益を継続しています。
- 2015年:チャイナショック
- 2018年:世界同時株安
- 2020年:コロナショック
- 2022年:米国株調整相場
デメリットとしては「年利50%」のような爆発的な利回りは望めない点でしょうか。
BMキャピタルは、投資家に寄り添った資産運用を行い、投資の有無に関わらず面談を通じて相談に応じるなど、サポート体制も充実したヘッジファンドといえます。
ハイクアインターナショナル
ハイクアインターナショナルはグループ売上30億円を超える「SAKUKO Vietnam(サクコ)」の事業拡大をサポートする日本の企業です。
「SAKUKO VIETNAM」は2011年に小売業を皮切りにベトナム進出を果たし、わずか13年で日本製品の販売店を42店舗・スイーツ店を11店舗・ホテルを3店舗を展開しました。
ハイクア・インターナショナルに投資した資金は、「SAKUKO VIETNAM」のビジネス拡大費用として貸し出されます。
「SAKUKO VIETNAM」はその資金で事業を拡大し、年率12%のリターンを投資家に還元します。
個人で10%以上の利回りを狙うことはとても難しいので、安定的に年率12%のリターンを受け取れるハイクア・インターナショナルは、とても効率の良い資産運用といえるでしょう。
ハイクア・インターナショナルについてのより詳しい内容は、無料の資料請求や面談で知ることができるので、まずは公式サイトからお問い合わせください。
個人向けヘッジファンドに関してよくある質問
個人向けヘッジファンドに関してよくある質問と回答を紹介します。
- 「ヘッジファンドの個人投資家狩り」とは何ですか?
- 個人向けヘッジファンドはいくらから投資できますか?
- ヘッジファンドに向いている個人投資家はどんな人ですか?
- 個人ファンドとは何ですか?
「ヘッジファンドの個人投資家狩り」とは何ですか?
ヘッジファンドの個人投資家狩りとは、ヘッジファンドが市場の動きや価格変動を利用して個人投資家から利益を得る戦略を指します。
代表的なものはストップ・ハンティングと呼ばれる手法で、ヘッジファンドが大規模な資本を動員して市場で取引を行い、意図的に株価を一時的に下げる(または上げる)ことで、個人投資家の設定したストップロス(損切り)注文を誘発します。
これにより、市場に売り注文が溢れ、ヘッジファンドは低価格で株を買い集めることができるのです。
個人向けヘッジファンドはいくらから投資できますか?
個人向けのヘッジファンドの最低投資額は1000万円からが一般的です。
ヘッジファンドに向いている個人投資家はどんな人ですか?
ヘッジファンドに向いている個人投資家は、以下のような人です。
- 余剰資金がある人
- 中長期的に資産運用したい人
- 投資する時間的余裕がない人
- ヘッジファンドのメリット・デメリットを理解している人
個人ファンドとは何ですか?
個人ファンドとは、個人や家族の資産管理などを主な目的としたプライベートな投資ファンドで、プライベートファンドとも呼ばれます。
個人ファンドは資産家や富裕層が自己資産の運用や保全、資産増加を図るために設立するのが一般的です。
元サッカー選手の本田圭佑氏が立ち上げた「KSK Angel Fund LLC」など、世界中にさまざまな個人ファンドが存在します。
個人がヘッジファンド投資する方法 まとめ
本記事では、個人がヘッジファンド投資をする方法や、購入前の注意点、個人向けおすすめヘッジファンドを紹介しました。
個人がヘッジファンドのメリットを享受するには、直接申し込むのがおすすめですが、ヘッジファンド会社の選定には知識や経験が必要です。
一方で投資助言会社や証券会社を通すと、選定のアドバイスを受けられますが投資助言料やコストが発生する点に注意が必要です。
ヘッジファンドのメリットである高いリターンが手数料によって減少する可能性も理解しておきましょう。