1億円の資産運用方法11選!利回り別ポートフォリオ【2023年版】

1億円の宝くじに当選した方、相続金を受け取った方、貯金で資金を築いた方など、1億円を手にした経緯は人それぞれ。

現在、日本で1億円を保有しているのは124世帯あり、全体の45人に1人いることがわかっています。

(引用:野村総合研究所

1クラスに1人は1億円以上の資産を持っているようなイメージですから、少ない数字ではありませんね。

1億円あったら有効な預け先で資産をさらに増やしていくことを検討したいところですが、資産が大きいだけに安全な運用と徹底したリスク管理が求められます。

そこで今回、金融資産1億円の資産運用先をお探しのあなたに向けて、11の運用先を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

(前提)リスクとリターン(利益)は比例する

1億円を資産運用する前に知っておくべきリスクとリターンの関係

1億円の運用先11選を見ていく前に、投資の前提として、投資のリスクとリターンは比例するということを念頭にいれておきましょう。

リスク別投資商品

詳しくは後ほど「リスクとリターン(利益)の関係を知っておく」の章で詳しく解説しますが、投資のリスクとリターンは比例します。

高い利益を期待する場合はリスクも上がりますし、そのリスクを許容していく必要もあるのです。

反対に、リスクが低い安全な運用先で投資をすると、利回りが低く、利益が少なくなってしまいます。

投資を行う際は、安全性と収益性のバランスを保ちながら運用先を検討することも重要になってくるのです。

この章では、11の資産運用先とあわせて、期待できる年利やメリット・デメリット、向いている人も紹介していますので、ご自分に合った運用先を探してみてください。

1億円の預け先・資産運用先11選

1億円の預け先・資産運用先11選

さっそくですが、一億円の預け先・資産運用先はこちらです。

スクロールできます
運用先期待利回り1億円を1年間運用した利息
普通預金0.001%~0.2%1,000円~20万円
定期預金0.002%~1%2,000円~100万円
債券0.05%5万円
投資信託3~4%300万円~400万円
ヘッジファンド10%~1,000万円~
不動産投資4~5%400万円~500万円
REIT3~4%300万円~400万円
株式投資4~5%400万円~500万円
ソーシャル
レンディング
4~6%400万円~600万円
ロボアドバイザー1~10%100万円~1,000万円
-円

ひとつずつ見ていきます。

銀行の普通預金と定期預金

1億円を資産運用するおすすめ商品「普通預金」

実際に資産運用先をご紹介する前に、銀行の普通預金と定期預金についても触れていきます。

普通預金

スクロールできます
期待年利0.001%(3大メガバンクとゆうちょ銀行)
~0.2%(ネット銀行)
メリットいつでも引き出し・預け入れができる
1,000万円までは元本保証がある
デメリット預金額が1,000万円以上の人は、元本保証がない
定期預金に比べて金利が低く設定されている
普通預金の基本情報

※3大メガバンク・・・「三菱東京UFJ銀行」「三井住友銀行」「みずほ銀行」の3銀行のこと。

定期預金

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期待年利0.002%(3大メガバンクとゆうちょ銀行)
~1.0%(ネット銀行)
メリット普通預金より金利が高い
1,000万円まで元本保証がある
デメリット預け入れ期間が決まっている
中途解約をすると通常より低い利率で金利が計算される
取扱いを中止する金融機関が増えてきている
定期預金の基本情報

預金保険機構によって銀行破たんなどによるリスクから公的に保護されている(ただし1,000万円まで)ため、安全性が高い銀行運用。

しかし、バブル崩壊後に日本銀行が敢行した「ゼロ金利政策」の影響で、期待年利は普通預金も定期預金も1%以下と、かなり低いことがわかります。

物価上昇がつづく昨今、銀行の普通預金や定期預金での運用は、インフレの影響で資産の価値が目減りする可能性も。

債券|低リスクで利益を狙う

1億円を資産運用するおすすめ商品「債券」

債券は大きく分けて2種類あり、国が発行する「国債」「社債」があります。

国債

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期待年利0.05%
メリット定期預金よりは金利が高め
国による元本保証で安心
利子が受け取れる
他の投資商品に比べて低リスク
デメリット金利が低く、資産がほとんど増えない
国債の基本情報

社債

期待年利0.3%
メリット国債より金利が高い
利子が受け取れる
他の投資商品に比べて低リスク
デメリット債務不履行になる可能性がある
社債の基本情報

国債は定期預金に比べて金利が高く、国による元本保証があって安心できる運用先です。

社債は国債より金利が高い代わりに債務不履行になる可能性もあり、元本の払い戻しや利息の支払いが滞ってしまう可能性があり、最悪の場合、倒産してしまうと元本を丸々失ってしまうこともあるので注意が必要。

債券も銀行の預貯金と同様、利回りが1%に満たない場合が多く、資産の価値が目減りする可能性が大いにあるため、1億円全てを運用することはおすすめできません。

あくまでも分散投資する商品の一つとして取り入れる程度に考えましょう。

投資信託|多くの商品にプロが分散投資

1億円を資産運用するおすすめ商品「投資信託」

投資信託とは、資金を預けて投資のプロに資産運用を代行してもらえる資産運用方法です。

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期待年利3~4%
メリット証券会社やネットで少額から投資できる
複数の投資家から集めた資金を元に資産運用ができ、分散投資が可能
運用のプロに任せるので運用の手間がない
デメリット利益の有無に関わらず手数料が発生する
市場相場が悪い時は利益が出にくい
元本保証されていない
向いている人投資初心者の方など、投資に自信のない方
運用のプロに任せて時間を節約したい人
投資信託の基本情報

投資初心者の場合、個人でリスクを分散しながら利益を出していくのは容易ではありません。

しかし投資信託を利用すれば、証券会社で信託商品を購入するだけでその後はプロが運用をしてくれます。

期待年利はこれまでに紹介した普通預金・定期預金・債券に比べると高く、とても魅力的ではありますが、元本保証がないなどのリスクが上がります。

また、投資信託では運用成績の良し悪しに関わらず固定の手数料が発生してしまいます。

つまり運営側にとっては利益がマイナスであろうがプラスであろうが、規則的に儲けがあるということです。

手数料が引かれても手元に利益が残るだけのリターンを出している運用先を見極める必要があります。

ヘッジファンド|高利回り+運用はプロにお任せ

1億円を資産運用するおすすめ商品「ヘッジファンド」

1億円もの資産を自分で運用する自信がない、もしくは投資にかける時間がないという方は、ヘッジファンドでの運用がおすすめです。

スクロールできます
期待年利10%~
メリット市場環境に左右されず、リターンを期待できる
リスク分散が図りやすい
プロに運用を任せるので運用の手間がかからない
デメリット最低投資額が1,000万円からと高額
まとまった手数料が発生する
情報の開示が限定されている
元本保証がされてない
向いている人余裕資金として1,000万円いじょうの資産がある方
運用のプロに任せて時間を節約したい人
ヘッジファンドの基本情報

日本ではまだ知名度の低いヘッジファンド。

しかし、ヘッジファンドはハーバード大学の金融商品の組み合わせ(ポートフォリオ)にも組み込まれているほど、注目度の高い運用先です。

そんなヘッジファンドは利回り5~10%と高め・かつ比較的安定している点が特徴的。

投資者が「プロに運用を任せる」という点は投資信託ファンドと似ていますが、運用方針や資金の集め方、投資手法の種類や手数料の体系などに違いがあります。

ヘッジファンドvs投資信託

株価が20%以上下落した2020年のコロナショックのような下落相場でも、さまざまな戦略で資産を減らさないように運用してくれる「絶対収益追求型」のヘッジファンドは、投資家としては安心です。

また、ヘッジファンドは平均利回りが10%以上と他の金融商品と比べても高利回りなので期待ができます。

不動産投資|将来的に不労所得を目指す

1億円を資産運用するおすすめ商品「「不動産投資」

不動産投資では、マンションや商業ビルなどの物件を購入・売却して売却益を得たり、賃貸による家賃収入を得る事ができます。

スクロールできます
期待年利4%~5%
メリット家賃収入や売却益が得られる
物件が将来的な資産になる
資金に合わせてワンルームからも始められる
デメリット空室が続いたり物件の価値が下がったり、家賃定価のリスクがある
物件の選定に手間と時間を取られる
元本保証されていない
向いている人ある程度余裕資金がある方
長期的な運用を取り組める方
不労所得として定期的に家賃収入を得たい方
不動産投資の基本情報

不動産投資は主に「ワンルームマンション投資」「一棟買い投資」の二種類に分けられます。

「ワンルームマンション投資」は購入代金や維持費などのコストが少なくてすみますが、大きな利益を得ることが難しいという一面も。

1億円もの資金があればビルやマンションごと購入する「1棟買い投資」ができ、家賃を多く得ることが可能なので、更なる利回りを期待できます。

しかし、不動産投資は物件の選定・購入・入居者募集・家賃の受け取り・清掃や修理などの管理など、かなりの手間がかかってしまう点が痛いところ。

そこで、投資資金を抑えて不動産投資をしたい方向けに、REIT(リート)という商品もあるので次の項目で紹介していきます。

REIT|低コストで物件のオーナーに

1億円を資産運用するおすすめ商品「REIT」

投資資金を抑えて不動産投資をしたい方にはREIT(以下、リート)という商品がおすすめです。

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期待年利3%~4%
メリット少額から簡単に投資できる
物件管理の手間がない
換金性が高い
デメリット金利が低く、お金が増えにくい
複利効果を活用することができない
災害やパンデミックの影響を受けやすい
元本保証されていない
向いている人不動産管理の手間をかけたくない人
定期的に分配金を得たい方
小額から投資したい人
REITの基本情報

リート投資は複数の投資家から出資金を集めるため、1人あたりの最低投資額も数万円からと比較的安く投資を始めることができます。

リート投資では物件管理をする必要がないので手間がかからない点も魅力的ですが、複利効果を活用することができない点はデメリットです。

資産運用をする場合は複利効果を活用して資産運用が効果的に資産を増やすことができるので、退職金のようなある程度まとまった資金がある場合はリート投資は少しもったいないですね。

株式|分散投資のひとつとして少しずつ挑戦

1億円を資産運用するおすすめ商品「株式投資」

自分自身の力で1億円の資産運用に取り組みたい方には「株式投資」がおすすめです。

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期待年利4%~5%
メリット自分で投資先や投資方法を決められる
運用に無駄な手数料がかからない
まとまった利益が狙える
デメリット運用に手間と時間を取られる
安定して利益を出すにはかなりの投資知識が必要
向いている人無駄な手数料を払いたくない人
投資知識に長けている人
株式投資の基本情報

株式投資は手間がかかるイメージがありますが、バリュー投資など方法を選べば、比較的手間をかけずに運用を行うことも可能です。

バリュー投資とは、本来の企業価値よりも会社の株が格安になっていると判断した時に投資を行う投資手法です。

バリュー投資の説明

簡単に説明すると、「本来100円の価値がある株式を50円になった時に買う」という手法です。

企業の株価が格安になった時に買っているので、企業の価値が上がった時に売却し、利益を得ます。

バリュー株は日々の市場変化の影響を比較的受けにくいという特徴があるため、しっかりと分析して選んだ株であれば日々に価格変動に一喜一憂したり、チャートにへばりついたりという手間が省けます。

1億円をすべて株式に投資してしまうのはリスクが高くなってしまいますので、分散投資やご自身の負担軽減という面でも、1億円の一部で少しずつ株式投資に挑戦してみるのもいいかもしれません。

その他ハイリスクな投機商品|株式・FX・仮想通貨」では、株式を含む投資の短期売買を避けるべき理由も紹介します。

ソーシャルレンディング|「お金を貸すだけ」の手軽な資産運用

1億円を資産運用するおすすめ商品「ソーシャルレンディング」

近年、「手軽さ」や「利回りの良さ」などの理由から注目を集めているソーシャルレンディング。

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期待年利4%~6%
メリット運用に手間がかからない
案件によっては利回り10%も狙える
デメリット貸し倒れのリスクがある
満期まで解約できない
早期還元のリスクがある
向いている人手間を省きたい方
高額資産の運用を自力で行うのが難しい人
ソーシャルレンディングの基本情報

借り手は融資を受けた金額と利息をソーシャルレンディング業者に返却し、業者の手数料を除いた金額が配当として投資家に戻される仕組みです。

「お金を貸すだけ」で資産運用ができるので、高額資産の運用を自力で行うのが難しいという方には向いているでしょう。

ロボアドバイザー|AIが客観的な視点でアドバイス

1億円を資産運用するおすすめ商品「ロボアドバイザー」

ロボアドバイザーは少額からの投資が可能で、客観的な視点で取引内容を監視して投資できる為、初心者にとっては投資を始めるハードルが低い運用方法と言えるでしょう。

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期待年利1%~10%
メリット投資の知識がなくとも始められる
客観的な判断が可能で利益を上げられる可能性が高い
小額投資が可能
デメリット手数料がやや高め
経験と知識を蓄積できない
向いている人運用をAIに任せて時間を節約したい人
知識をつける時間がないが投資がしたい人
ロボアドバイザーの基本情報

ロボアドバイザーではすべての運用をAIに任せることができます。

その代わり手数料が高めの設定とはなっていますが、投資にかける時間を別のことに使いたい方にはぴったりの投資先でしょう。

金|「安全資産」として資産の防衛を図る

は希少性が高く、相場も安定しているので、従来からある投資対象のひとつです。

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期待年利ー%
メリット金そのものに価値がある
インフレに強い
税金の控除を受けられる
デメリット金が利益を生むことはない
高金利の恩恵を受けることはできない
売却時の差額(キャピタルゲイン)でしか利益を得られない
向いている人インフレ対策で現物投資をしたい方
金の基本情報

金は適切な価格で売買はできますが、金が富を生むわけではなく、正確な意味では「資産」とは呼べません。

しかし、金はインフレ率にも負けず、長い歴史を通して勇逸価値が落ちないとされているので、何らかの社会情勢の変化により、経済が停滞しているとき「安全資産」として金の価値が上昇します。

分散投資の一部に組み入れておくと、安全資産として上昇することが多く、資産の防衛につながります。

ただし、景気が上向く局面では金の資産価値はほとんど上がらないので、これから資産を増やそうと考えている人には向かない商品だと覚えておきましょう。

ハイリスクな投機商品|株式・FX・仮想通貨

あまりおすすめはしませんが、かなり高い金利が狙えるハイリスクな投機商品も簡単にお伝えしておきます。

株式投資

企業が事業資金を集める方法の1つとして発行された「株式」を投資家が購入し、株式の売買や投資先企業からの配当金によって利益を得る方法。

まとまったリターンを狙いにいけますが、投資知識が豊富な方でないと運用は難しいでしょう。

ただし、バリュー株投資は日々の市場変化の影響を比較的受けにくいという特徴があるため、分散投資やご自身の負担軽減という面でも、資金の一部で少しずつ株式投資に挑戦してみるのはいいかもしれません。

FX

外国の通貨を購入し、為替相場の変動によって売買差益を得る方法。

レバレッジという仕組みを活用すれば、少額から高い利益を期待することができるが、かなりのリスクもついてくるのでギャンブル的な要素が高い。

仮想通貨

紙幣や硬貨のような現物はなく、電子データでのみで取引される実体のない通貨のこと。

短時間での大きな価格変動も珍しくなく、ハイリスク・ハイリターンな商品でギャンブル的な要素がかなり高いのが特徴。

以上の3つは短期間で高い利益を狙うギャンブル的な要素がかなり強い商品となっておりますので、あくまでも参考程度にとどめておいてください。

短期売買を避けるべき理由

短期売買の場合、短期的な激しい値動きを利用して利益を得るため、運用成績は投資のタイミングなど、投資者の腕に左右される面が大きいです。

また値動きが激しい中で大きな資金を運用すると、小さな失敗でも損失が大きくなりがち。

リスクとリターンの振れ幅

例えば1億円を投資した場合、市場の下落に合わせ3%マイナスになっただけで300万円の損失がでます。

そんな中でも落ち着いて対応し利益に転じさせる精神力と優れた投資手腕は誰でも持ち合わせているものではありません。

一方、バリュー株投資を含む長期投資の場合は、基本的には金融商品を購入して値上がりするのを待つというスタンスのため、仮に多少の損失が出ても長期的に時間をかけて回復させることが期待できます。

あなたが相当の敏腕トレーダーである場合は別ですが、そうでない限りは欲をかかずに地道かつ長期的に安全運用をしていくべきですね。

1億円を資産運用するおすすめ商品はずばりヘッジファンド

ここまで、1億円の資産運用先として普通預金や定期預金を含む11の運用先を紹介してきましたが、1億円もの資金を確保できる方にはヘッジファンド投資がおすすめです。

ヘッジファンドは、

  • 運用の自由度が高く、常に利益を追求できる
  • 投資のプロに運用を任せられる
  • 成功報酬を採用しているため、運用成果が出なければ高額な手数料を払う必要がない

などと、非常に魅力的な運用先です。

そんなヘッジファンドは日本国内にも多数ありますが、今回はそのうちのひとつ「BMキャピタル」を紹介します。

BMキャピタル|日本国内のヘッジファンド

1億円の運用に向いているBMキャピタル

特におすすめの日本国内ヘッジファンド「BMキャピタル」をご紹介します。

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運用開始2013年
投資対象日本株
年間利回り10%
最低投資額1,000万円~
※1,000万円以下も相談可能
おすすめポイント平均年間利回り10%以上
過去に運用成績がマイナスになった年ゼロ
運用期間が長く投資者対応もスムーズ
投資初心者向けのヘッジファンド
注意点解約可能期間は3ヵ月に1度
元本保証ではない
海外資産に分散できない
公式サイトBMキャピタル

BMキャピタルの最大の魅力は、年間の利回りが約10%を超え、過去にマイナスを出した年がないという点。

BMキャピタルが設立されてからの10年の間には、近年だと2020年初頭のコロナショックなど数々の危機がありました。

しかし、どの年も高いリスク管理能力で下落の局面を乗り越えているのです。

世界のヘッジファンドと比べると日本のヘッジファンドの運用歴は浅いものの、その中でもBMキャピタルは10年という比較的長い期間の運用実績があり、投資をするか否かの判断材料が豊富なのも投資家には嬉しい所です。

そんなBMキャピタルでは資料請求・面談がすべて無料。

運用成績や投資手法などの詳しい内容が知りたい方は、まずは公式ホームページからお問い合わせをしてみてもいいですね。

BMキャピタルについて詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひご参考くださいませ。

>>BMキャピタルの投資手法や注意点まとめ

ヘッジファンドとは?

ヘッジファンドについてもっと詳しく知りたい

という方に向けて、ここで少し詳しく解説します。

ヘッジファンドについて詳しく知りたい場合には投資信託との違いを知っておくのが近道です。

ヘッジファンドと投資信託の違いを簡単にまとめると表のようになります。

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項目ヘッジファンド投資信託
投資対象私募形式公募形式
投資対象なんでもアリ株・債権など
レバレッジ
主な手数料成功報酬購入手数料
運用手数料
解約手数料
収益目標絶対収益相対利益
最低投資額1,000万円以上100円~
情報の開示

それでは細かく見ていきましょう。

※多いので気になる部分だけを読んでいただければ幸いです。

投資家の層と運用規制の違い

皆さんに親しまれている投資信託は、「公募」という形式で不特定多数の出資者からお金を集めています。

投資信託は国の許可を得て運用することが許されており、行政が投資信託の運用会社に投資の対象や手法などに厳しくルールを課して運用をしています。

一方のヘッジファンドは、運用会社が「私募」という形で多くの資産を保有する団体・企業や人などの限られた人からお金を集めます。

私募形式で運用されているため駆使できる投資の対象や手法に対する規制が緩く、公募形式で運用している投資信託よりも柔軟かつ迅速な対応でリターンを狙いやすいという特徴があります。

運用規制の大きな違いとして、「レバレッジの有無」というのが挙げられます。

厳しい規制のないヘッジファンドでは、レバレッジにより高いリターンを狙うことも可能です。

レバレッジとは

資産運用の世界では、「少ない資金で大きな投資をする」という意味で用いられ、少ない資金をてこのように使い、大きなリターンの獲得を図ることを意味します。
一般的な投資信託では、原則レバレッジが認められていません。

手数料体系の違い

現在の一般的な投資信託では運用成績の良し悪しに関わらず、主に購入時・運用中・解約時の3つのタイミングで手数料が発生します。

つまり運営側にとっては利益がマイナスであろうがプラスであろうが、定期的に儲けがあるということです。

投資信託の手数料は主に以下の3つがあります。

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名目購入手数料信託報酬信託財産留保額
タイミング購入時運用中解約時
目安申し込み価格の1~3%ファンドの日々の純総資産額の年率0.5~2%ファンド解約時の時価(基準価額)の0.1~1%
概要と例例)購入手数料3%で販売される投資信託を100万円分購入した場合、販売手数料は3万円となります。100万円(購入金額)
× 3%(手数料率)
= 3万円(販売手数料)
例)目論見論に「信託報酬はファンドの日々の純資産総額に対し年率1.1%」と記載されている場合、日々30円程度の信託報酬が信託財産から差し引かれます。100万円(保有している投資信託の額)
× 1.1%(信託報酬年率)
÷ 365(日割り計算)
≒ 30円(信託報酬)
例)解約時の基準価格が1万口あたり15,000円、信託財産留保額の割合が0.2%のファンドを100万口もっていた場合、信託財産留保額は3,000円となります。・保有口数の総額:
15,000円
× (100万口 ÷ 1万口)
= 150万円・ 信託財産留保額:
150万円
× 0.2%
= 3,000円

ヘッジファンドでも主に運用手数料と成功報酬2つの手数料が発生するのが一般的ですが、手数料の大きな割合を占めるのは、利益が出たときにのみ発生する「成功報酬」である点に違いがあります。

収益目標の違い

投資信託の収益目標は「相対収益」といわれており、TOPIX(東証株価指数)や日経平均株価などの運用成果の目安を設定し、その数値を上回ることを目標にしています。

つまり、市場が下がっていて収益がマイナスになっていたとしても、この目安を上回ることができれば運用はうまくいっていると評価されてしまうわけです。

一方、ヘッジファンドの収益目標は「絶対収益」を追求するといわれています。

株式や債券だけでなく、あらゆる知識や投資手法を組み合わせて、市場が上がっていても下がっていても絶対的にプラスの収益を目指します。

前述のようにヘッジファンドでは投資信託よりもさまざまな投資手法を使うことができ、更に「成功報酬」を採用しているからこそ、運営サイドも絶対に収益を出したい!という意欲が、市場環境に関わらずに積極的にリターンを狙える理由の一つになっていると言えるでしょう。

最低投資額の違い

投資信託では多くの出資者から資金を募るため投資家一人あたりの投資額が少なく済み、中には100円から購入できるものもあり、簡単に投資を始めることができます。

一方ヘッジファンドは出資を受けることのできる人数に制限があるため、1人あたりの出資額が多くなります。

最低投資額は1000万円以上からと高額なので、ヘッジファンドへ投資するときはある程度まとまった資金が必要になります。

情報の開示の有無

一般的な投資信託では、運用方針やどのような銘柄に投資をしているかなどの情報は目論見書などで確認することができ、投資家はそれらの情報を参考にして投資判断を下すことができます。

一方ヘッジファンドの場合、一般的な投資信託のような情報開示がありません。

情報を開示するということは、運用戦略を明かすということになります。

そうなると、他のヘッジファンドに運用戦略が漏洩し、真似されたりする恐れがあるため情報開示に積極的ではないのです。

仮に情報開示されたとしても非常に簡単な報告にとどまるため、投資家にも「どのような金融商品や資産にどのくらいの割合で、どういう方針で投資しているか」などといった運用状況の具体的な内容がほとんど分からず、また最低投資額が高いことからヘッジファンドへの投資経験者も少なく判断材料が少ないのが実情です。

しかし、投資信託のように投資家に詳細な情報を開示して監視させない代わりに、利益が出たときのみ発生する成功報酬などの設定をすることによって、投資家とヘッジファンドの運用会社の利害を一致させることを仕組みとして導入しています。

1億円を資産運用に回すべき理由

1億円を資産運用に回すべき理由

ここまで、1億円の資産運用先について詳しく紹介してきましたが、

安全な銀行での運用はだめなの?

1億円あれば、投資をしなくてもこの先暮らしていけるのでは?

そもそも1億円を資産運用に回すべき理由は?

など、疑問に思った方も多いはずです。

事実、「お金のデザイン」(東京)が2022年に全国の50~70代の男女1000人(保有金融資産1億円未満)を対象に行った調査によると、約62%もの方が老後の資金のために銀行の定期預金と普通預金を活用していると答えています。

老後老後の資金のために活用しているもの
(引用:お金のデザイン

また、投資の印象について聞いたところ、ネガティブな意見が目立ちました。

  • 「リスクがあるものに頼る気はしない」
  • 「リスクが高く、ギャンブル性が高い。」
  • 「よく知らないので、投資しようと思えない」
  • 「 投資は怖いイメージで貯蓄の方が良いと思う」
  • 「現在の日本では投資は不安のほうが強い」
  • 「貯金がなくなったら困るから」 など

この調査が行われた当時50~70代の方はバブル時代全盛期の1985年当時10~30代です。

バブル時代全盛期の当時、ご両親やご本人が銀行にお金を預けて金利だけで利益を得た経験のある方や、投資に対して悪いイメージある方がこのような意見を出されていることが予想できます。

しかし、超低金利時代・少子高齢化社会による年金の引き下げ・物価高騰がつづく現代でも、同じことが言えるのでしょうか?

そこでこの章では、1億円を資産運用に回すべき理由を以下の項目に分けて解説していきます。

それぞれ見て行きましょう。

1億円あっても56年間しか暮らせない

皆さんは、1億円があったら何年暮らせると思いますか?

2021年に総務省が発表した「家計調査 家計収支編」では、単身世帯の1か月あたりの平均消費支出は約15万円。

内訳としては以下の通りです。

平均消費支出約15万円の内訳

住居:22,116円
光熱・水道:11383円
交通・通信:18,856円
保険医療:7,625円
教養・娯楽:17,106円
など

この調査では持ち家率が56.1%と高く、住居費の平均額が低くなっています。

では、20歳から単身世帯になったとして、持ち家があり、娯楽や趣味をあまり楽しまず、大きな病気もなく月15万円でつつましやかに生活をした場合、1億円で何年暮らせるのでしょうか。

1億円 ÷ 180万円(平均消費支出15万円×1年) = 約56年

答えは、約56年、76歳まででした。

少し前の時代ですと、76歳まで生きられるなら十分だったかもしれません。

では、現在の日本の平均寿命まで生きると仮定した場合、いくら必要になるのでしょうか。2021年に厚生労働省から発表された日本人の平均寿命は、男性が81歳、女性は87歳です。

仮に85歳まで生きると仮定した場合、20歳から65年は暮らせるお金が必要になります。

平均消費支出15万円 × 65年 = 約1億1,700万円

前述のようにつつましやかに生活したとしても、65年で約1億17,000万円が必要だということがわかります。

以下の表は、同じ条件で計算した場合、85歳までにいくら必要なのかを年齢別にまとめた表です。

スクロールできます
現在の年齢85歳まであといくら必要か
20歳65年1億1,700万円
30歳55年9,900万円
40歳45年8,100万円
50歳35年6,300万円
60歳25年4,500万円
70歳15年2,700万円
80歳5年900万円

何度も言いますがこの条件は、20歳から単身世帯になったとして、持ち家があり、娯楽や趣味をあまり楽しまず、大きな病気もなく月15万円でつつましやかに生活をした場合です。

ほとんどの方の場合、家族がいる方や持ち家の無い方、娯楽や趣味などを楽しみたい方など、1か月の支出額がこの平均額よりかかる方のほうが多いことを忘れてはいけません。

さらに、「人生100年時代」とも言われる昨今、1億円を手にしたからと言って、投資などで収入を得る準備もしないまますぐ仕事を辞めてしまったりするのは危険と言えるでしょう。

「老後2,000万円問題」2000万円以上必要になる可能性も

2019年金融庁から発表された、いわゆる「老後2,000万円問題」は、皆さんもきっと記憶に新しいはず。

「老後2,000万円問題」とは2019年に金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」の報告書に掲載された試算の報告のこと。

収入と支出の差である不足額約5万円が毎月発生する場合には、20 年で約 1,300 万円、30 年で約 2,000 万円の取崩しが必要になる

引用:金融審議会|市場ワーキング・グループ報告書

簡単に説明すると、

高齢夫婦無職世帯の生活費は、1ヵ月あたり約26.3万円がかかると言われています。対して年金年収は20.9万円なので、1ヵ月あたり約5万円の不足が生じることに。

つまり、老後が20年だった場合は約1,300万円、30年だった場合は約2,000万円もの赤字がでるという試算が報告されました。

老後2000年問題2019
(引用:テレ朝news

1,300万円~2,000万円もの不足金を公的年金以外で補っていく必要があるといった金融庁からの発表は、いわゆる「老後2,000万円問題」として話題を集めました。

しかし、この試算報告が発表されて4年が過ぎた現在、止まらない物価高騰の影響で不足金は当時の2,000万円をゆうに超えるとの指摘も。

経済評論家の加谷珪一氏の試算によると、当時の年金収入が続くと仮定して現在の物価高をあてはめた場合、老後30年で約2,400万円もの資金が必要になることがわかったのです。

老後2000万円問題現在の物価で
(引用:テレ朝news

支出:27万5381円 - 収入:20万9198円 =差額:6万6183円

差額:6万6183円 × 30年 = 不足:2,382万5,880円

今後も物価高騰の長期化が懸念されていることに加えて、少子高齢化による年金の引き下げなど、物価に対して収入が少なくなっていく可能性も考えられます。

また、老後に旅行や趣味などの時間を楽しみたいなど、このモデルケースより支出が増えることも視野に入れると、老後資金は2,500万円よりも多くの資金が必要になることがイメージできるのではないでしょうか。

超低金利時代で銀行の預貯金では利回りを期待できない

銀行の普通預金の金利が5%を超えていたバブル時代。

銀行や郵便局にただ「預けているだけ」で資産が増えていきました。

この当時の記憶から、「銀行に預けておけば安心だし、金利でお金が増えていく」というイメージを持たれている方が多いのではないでしょうか。

しかし、バブル経済が崩壊後、日本銀行は「ゼロ金利政策」を敢行し、現在までつづく超低金利時代に突入。

バブル時代に5%もあった金利は、現在もっとも高い金利で0.2%程度にも落ち込みました。

(引用:日本銀行

例えば、100万円を1年間普通預金に預けた場合を比較すると、1985年には50,000円もの利息を受け取れていたのが、現在では良くても2,000円しか受け取れないということになるのです。

スクロールできます
年度1985年2023年
金利5%0.2%
1年後50,000円2,000円
総額105万円100.2万円

更に、銀行の普通預金にお金を預けた場合、お金が増えないどころかインフレの影響で資産が減ってしまう可能性もあります。

銀行の預貯金はインフレの影響を受けるリスクがある

物価上昇がつづく昨今、銀行の預貯金ではインフレの影響を受ける可能性があります。

インフレ(インフレーション)とは、モノの価値がお金の価値より高くなることを指し、対してデフレ(デフレーション)とは、物価が下がり続けて、お金の価値が上がる状態のことを言います。

例えば、モノの価値が上がり、100円で買えたリンゴが200円になってしまう状態がインフレです。反対に、100円で買っていたリンゴが50円で買える状態がデフレということになります。

インフレとデフレの説明例

デフレの時代においてはお金の価値が上がっているので、「現金は最強の投資対象」などと言われてきましたが、インフレ時代ではまったく逆の状態になります。

インフレがつづく昨今ですが、2022年4月の物価上昇率は日銀が掲げる物価目標の2%を達成し、12月にはなんと4%にも到達しました。

消費者物価指数2022年12月
(引用:日本経済新聞

インフレが進んでいる場合、普通預金だけで資産を管理している人は、物価が上昇した分だけその資産を失うということになります。

2023年は物価の上昇率は約2~3%に鈍るとの予測がされていますが、仮にこの先10年間の物価上昇率が2%だったとし、資産が1,000万円あった場合、この資産が10年後にはいくらに減ってしまうのかを以下の計算式に当てはめて計算しました。

すると1,000万円の実質価値は820万円にも下がることになり、180万円は使ってもいないのに自然と価値が失われてしまうことがわかりました。

約180万円を失わないためには10年間、2%の金利を維持する必要がありますが、現時点で銀行の普通預金の金利は良くても0.2%ですから、これを補うことができません。

せっかく手にした1億円がインフレの影響を受けて減ってしまうともったいないので、銀行の預貯金よりも利回り率が高い資産運用をする必要があるということなのです。

1億円で資産運用を行うメリット

1億円で資産運用を行うメリット

さらに、1億円で資産運用を行うメリットとして、以下の2つが挙げられます。

1億円で資産運用を行うメリット2つ

それぞれ見ていきましょう。

早期リタイア(FIRE)ができる

近年、新たなライフスタイルとして注目される「FIRE」。

端的に言えば経済的自由を得て、生活のための仕事から解放されることです。では、1億円があればFIREも可能なのでしょうか?

詳しく見ていきましょう。

FIREとは?

FIREとは、「Finanncial Independence Retire Early」の頭文字から作られた言葉で、日本語では「経済的自立と早期リタイア」と訳されます。

fire

元々は欧米を中心に流行していた考え方でしたが、近年では日本でも注目されるように。

FIREも従来の早期リタイアよりも自由な生活を送ることを目的として、定年を待たずにリタイアする点は同じですが、FIREの場合は一生暮らすのに困らないような億万長者になることがリタイアの前提ではない点です。

FIREの目標

FIREにおける早期リタイアでは、生活費などを減らして投資を増やし、投資による収入(不労所得)を得ることでFIREの実現を目指します。

FIREに必要な資産はいくら?

FIREを実現するために必要な資産は、年間支出の25倍。

これは、アメリカの大学の論文をもとに「4%ルール」が根拠とされ、資産を年4%で運用し、増えた4%分を切り崩して生活すれば、資産が目減りしないという考え方に基づいています。

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年間支出(月)FIREに必要な資産
100万円
(8万3,000円)
2,500万円
200万円
(17万円)
5,000万円
300万円
(25万円)
7,500万円
400万円
(33万円)
1億円

つまり、年間支出400万円(月33万円程)で生活できる場合、1億円があれば利回り4%が期待できる投資運用をすることでFIREを実現することができるのです。

ちなみに、FIREには大きく分けて「フルFIRE」「サイドFIRE」があります。

「フルFIRE」はこれまでの説明のように、仕事を完全に辞めて不労所得だけで生活することを指します。

一方「サイドFIRE」は、不労所得を得ながらもある程度は働いて収入を得ながら生活することを言います。

1億円があればフルFIREができることが先ほどの検証でわかりましたが、

「月約33万円では生活が厳しくなる」
「仕事を辞めてしまうのは、万が一の時に不安」
「せっかく積み立てた退職金がもったいない」

という方は、時短勤務を選んだり、好きな仕事を選んだりと、自由度の高い働き方で収入を得ながら「サイドFIRE」を選択するのもいいですね。

運用シミュレーション|効率的に資産を増やせる

基本的に資産運用は、投資金額が多ければ多いほど効果的です。

投資元本の大きさと利益は比例しますので、同じ利回りで資産運用するにしても、少額投資より何倍も高い投資効率で資産運用をすることができるのです。

例えば、1万円と1億円を投資した場合、1%値上がりしたときの利益を比較してみましょう。

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投資額1万円投資1億円投資
1%の値上がり利益100円100万円

同じ1%の値上がりでも、1万円を投資した場合には100円しか受け取れなかった利益は、1億円を投資した場合、100万円もの利益を受け取れることが分かります。

こちらは、利回り別に1億円を10年間資産運用した場合のシミュレーションを表と図にしたものです。

1億円を利回り1%で運用した場合でも、10年後には1,046万円もの利益を受けとることができ、利回り高めの7%で運用した場合は、資産が約2倍の2億円近くにもなることが分かりますね。

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利回り1年後3年後5年後7年後10年後
1%1億100万円1億303万円1億510万円1億721万円1億1,046万円
3%1億300万円1億927万円1億1,592万円1億2,298万円1億3,439万円
5%1億500万円1億1,576万円1億2,762万円1億4,071万円1億6,288万円
7%1億700万円1億2,250万円1億4,025万円1億6,057万円1億9,671万円
10%1億1,000万円1億3,303万円1億6,105万円1億9,487万円2億5,937万円

このように1億円という大きな金額で資産運用を行う場合、運用利回りが1%や3%と低くても、効率的に利益を得る事ができる上に、積極的な運用をした場合はより高い利益を期待することができるのです。

1億円を運用するために知っておきたいこと

1億円を運用するために知っておきたいこと

この章では、1億円の資産運用を成功させるために知っておきたい投資の基礎知識をご紹介します。

投資をこれから始めるという方も、投資の基礎知識ならすでに心得ているという方でも、基礎にしてかなり大切なことですので、今一度初心に戻ってご確認いただければ幸いです。

余裕資金で投資する

投資を行う際は、使い道の決まってない「余裕資金」で投資を運用することが推奨されています。

余裕資金とは、全体の資金から日常的に生活で使う資金(生活防衛資金)と、教育や住宅ローン、万が一のときに備えておく資金(準備資金)を差し引いた、今後使う予定のないお金のことを指します。

生活防衛資金

生活において必ず必要になる資金であり、近い将来出費することが確定している生活費を指します。

一般的にな会社員であれば3ヵ月~半年程度の生活費の合計を指すのが一般的。

仮に毎月の生活費が20万円の人は、最低でも3か月分の生活費である60万円を生活防衛費として貯蓄しておく必要があります。

準備資金

近い将来(3年以内程度)に出費が確定している住宅の購入や、教育費などの大きな出費のことを指します。

一般的には「月収の6ヵ月分」ほどが目安です。

準備資金は万が一に備える資金なので、生活防衛資金と同様、投資に回すことは推奨されていません。

余裕資金

全体の資金から、生活防衛資金と準備資金を差し引いた額です。

数年以内に使用することが考えられない資金は、貯蓄し続けるよりも資産運用に回す方が効率的。

投資は余裕資金の範囲内で投資商品を選び、効率的に運用していくことが重要です。

余裕資金を適切に資産運用するためには、まずは具体的な余裕資金の額を知ることが大切になります。

投資における余裕資金の計算方法の一例

余裕資金の目安となる金額を計算する方法は以下の通りです。

 余裕資金=全体の資金 – (生活防衛資金 + 準備資金)

例)1,000万円の資金があった場合。

毎月の生活費は30万円であり、3ヵ月分の生活費である90万円を生活防衛資金として確保します。

2年後に車の買い替えを考えており、準備資金は300万円です。

この時の余裕金は610万円になります。

1,000万円 – (90万円 + 300万円)= 610万円

よって、この例では610万円の範囲内で投資を考えるのが理想と言えます。

自分の余裕資金を確認せずに投資を行うことは非常に危険です。

1億円を手にした方も、全て投資をしてしまう前に、ご自身の余裕資金を把握してから投資を始めましょう。

リスクとリターン(利益)の関係を知っておく

投資を始める際には、リスクとリターン(利益)の関係についても知っておく必要があります。

リスクとリターンの関係

投資の世界でリターンとは、「資産運用を行うことで得られる収益」のことです。

一方、リスクとは、「リターンが不確実である(予測できない)こと」を指します。

不確実の度合い(振れ幅)が大きいことを「リスクが大きい」、小さいことを「リスクが小さい」と言い、「リスクが大きい」=「大きな収益が得られるかもしれないし、大きな損失が出るかもしれない」という意味になります。

リスクとリターンは比例する

リスクを抑えようとするとリターンは低下し、高いリターンを得ようとするとリスクも高まります。

したがって、ローリスク・ハイリターン(リスクが低く、リターンが高い)商品は存在しません。

ローリスク・ハイリターンを謳った金融商品は、投資詐欺を疑いましょう。

リスク別投資商品

そうはいっても、低リスクな商品で投資をし続けても、いつまでたっても資産は大きくなりません。

資産を大きくするためには、リスクを減らす対策をし、ある程度は許容していく姿勢も大切なのです。

ではリスクを減らす対策とはどういったものがあるのでしょうか。

それは、「長期・積立・分散投資」にあります。

次で見ていきましょう。

長期・積立・分散投資をする

リスクを減らすための対策は、投資の三大原則「長期・積立・分散投資」にあります。

長期・積立・分散投資

長期投資とは

長期投資とは、その名の通り、長い時間をかけて金融商品を保有し続け、じっくりと資産形成する方法です。

長く保有すれば、リスクとリターンの振れ幅が小さくなり、安定した収入を得る事が期待できます。

例えば、一時的に資産価値が上昇または下落したとしても、時間をかけて元の価格に戻るケースがよく見られるのです。

TOPIXや証券会社の過去のデータを見ると、金融資産は保有期間が長いほどリスク・リターンの幅が小さく、短期投資は大きいことがわかっています。

そのため、短期的にリターンを得ようとする投機商品(FXや仮想通貨、一部株式など)はリスクも高く、あまりおすすめができません。

積立投資とは

積立投資とは、例えば毎月3万円などといった金額を、定期的に・継続して・コツコツと積み立てていく投資方法です。

積立投資には、定量購入する方法と、定額購入する方法があります。

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定期購入ある株式を毎月100「株」ずつ購入する
定額購入ある投資信託を毎日100「円分」ずつ購入する

特に、定額で購入する方法は「ドル・コスト平均法」といって、「長期・積立・分散投資」を実施するうえで大きな役割をします。

下の表で、毎月定量購入した場合と、定額購入をした場合の例を比較し、定額購入がどのような役割をするのか見ていきましょう。

定額購入では、購入金額を一定に保つことで価格が下がった時には多くの数量を購入し、価格が上がった時には少ない数量を購入することができます。

結果、長期投資する場合、定量購入した時に比べ、定額購入した時の方が平均購入単価を下げることがわかりますね。

分散投資とは

分散投資とは、投資先や購入する時期を分散させることで、価格の変動を抑え、安定した利益を狙う投資方法です。

銘柄地域時期の分散
資産(銘柄)の分散

投資商品には様々な銘柄がありますが、それぞれが常に同じ値動きをするわけではありません。

例えば、一般的に株式と債券とでは、経済の動向に応じて異なる値動きをする事が多いと言われています。

こうした値動きの違いに着目して、異なる値動きをする資産や銘柄を組み合わせてリスクの軽減を図ることを、「資産(銘柄)の分散」といいます。

国・地域の分散

分散投資を実践するうえで、投資先地域の分散も重要です。

投資する対象が存在する国の中には、災害や紛争、政治的要因などによりその地域の金融市場が落ち込む国もあれば、反対に景気がいい国も存在します。

こうした投資対象地域の性質による値動きの違いに着目して、異なる状況にある地域の銘柄や通貨を組み合わてリスクの軽減を図ることを、「国・地域の分散」といいます。

時間(時期)の分散

「資産(銘柄)の分散」や「地域の分散」で見てきたとおり、個々の資産や銘柄はその性質に応じて様々な値動きをします。

そこで、長い目で見て一回あたりの投資価格を平均化させていくために、「ドル・コスト平均法」を活用して「時間(時期)の分散」を図ります。

金融商品を定期的に・継続して・一定の金額で購入していく「ドル・コスト平均法」を活用することで、結果として一定の口数を購入していくよりも平均買付価額を低く抑える効果が見込めることが可能です。

長期投資・積立投資・分散投資をすることで、リスクの分散を最大限発揮することができることがわかりました。

複利運用の効果を知っておく

複利運用とは、複利の運用で得た利息を当初の元本にプラスして投資することで、利息が利息を生んでふくらんでいく効果のことを指します。

例えば元本が1000万円、利回り10 %で10年間複利運用をしたと仮定します。

最初の1年目は1,000万円に対して10%の利息がつきますが、2年目には利息を含んだ1,100万に対して10%、3年目には1,210万円に対して10%・・・と、元本自体が大きくなるため、利益もその分ふくらんでいくというわけです。

ちなみに、運用で得た利息を元本にプラスすることなく毎回受け取り、当初の元本の金額のまま運用する方法もあり、これを「単利運用」と言います。

これをふまえて複利運用と単利運用による10年後の金額を比較をすると、

1000万円を利回り10%で10年間
→単利で運用した場合:10年後には2,000万円(元本1,000万円+利息1,000万円)
→複利で運用した場合:10年後には2,600万円(元本1,000万円+利息1,600万円)

と、約600万円もの差が生まれるのです。

このように、投資運用をする際、単利運用をするよりも複利運用にする方が、より高い恩恵を受けられることがわかりました。

1億円を運用する際に気を付けた方がいいこと

1億円を運用する際に気を付けた方がいいこと

1億円を投資する際に注意したいポイント3つもご紹介します。

怪しい投資話や勧誘に気をつける

ここで、最も代表的な投資詐欺である「ポンジスキーム」の手口を紹介します。

ポンジスキームとは、例えば、以下のような謳い文句で投資話を持ちかけられます。

ポンジスキームの謳い文句
  • 必ず儲かります
  • 元本保証です
  • 人数限定の投資です
  • 極秘情報です
  • 年利〇%は確実です

このような勧誘で、投資家にほとんどリスクを負わせずに高いリターンを約束し、投資をさせます。

そして、後から参加した投資家から集めたお金で、先に参加した投資家にリターンを発生させる投資詐欺のことです。

ポンジスキームとは

出資者が集まらなくなるとポンジスキームは破綻し、破綻するタイミングで会社は蒸発。

会社運営者は行方不明になり、全資金を持ち逃げされるのです。

繰り返しになりますが、リスクとリターンは比例します。

「ローリスク・ハイリターン」の投資商品はありません。

リスク別投資商品

つまり、この世に「必ず儲かる」投資商品はないのです。

特に、1億円など資産額が大きい人は、銀行や証券会社などの営業マンのターゲットになりやすいので、上記のような謳い文句で近づいてくる投資話には必ず注意が必要となります。

超ハイリスクな商品には手を出さない

FXや仮想通貨、短期売買の株といったギャンブル性の高い投資商品は、高リターンを期待できる一方で、大きく資産を失うリスクも存在します。

秒単位で価格が変動するため、1億円の資産を運用するとなると精神衛生面でもあまり良くはありません。

投資の運用では、超ハイリスクな商品には手を出さず、コツコツと安定した運用を心掛けるようにしましょう。

詳しくはハイリスクな投機商品|株式・FX・仮想通貨で解説しています。

運用コストに気を付ける

投資商品を選ぶ際には、運用コストにも注意をする必要があります。

例えば投資信託の場合。

金融商品を購入するだけで投資のプロにその後の運用をお任せできる投資信託は、最低数千円からと、ヘッジファンドよりも少額から手軽に投資が可能です。

しかし、投資信託では運用成績の良し悪しに関わらず固定の手数料が発生してしまいます。

つまり運営側にとっては利益がマイナスであろうがプラスであろうが、規則的に儲けがあるということです。

ちなみに、筆者おすすめのヘッジファンドの場合、主な手数料は以下の3種類。中でも成功報酬はファンドにとって主な収入源となります。

ヘッジファンドの主な収入源
  • 申し込み手数料
  • 管理手数料
  • 成功報酬

ヘッジファンドの成功報酬は運用で出した利益に対して20~50%が決算期に差し引かれます。

投資信託の場合は運用成績がどれだけ悪くても定期的に手数料が差し引かれていくのに対し、ヘッジファンドは主な収入源としている成功報酬を、顧客の利益が出たときのみに受け取ります。

運営サイドになって言い換えると、利益が出ても出なくても定期的に儲けが入ってくる投資信託に対し、ヘッジファンドでは利益が出るほど儲けることができ、逆に利益を出せなければ主な収入源を失ってしまうわけです。

ヘッジファンドの成功報酬は一見、投資信託と比べると高く見えますが、大きな資産を預ける投資家からすると、成功しなければ収入を失う=自然と運用に力が入るヘッジファンドに預ける方が運用コストが良いと言えるのではないでしょうか。

このように、資産運用を始める際には、手数料が引かれても手元に利益が残るだけのリターンを出しているのか、またコストに見合った運用をしてくれるのかを見極める必要があります。

【利回り別】1億円の資産運用ポートフォリオ例

【利回り別】1億円の資産運用ポートフォリオ例

さて、ここまで1億円の資産運用先と投資のコツや注意点を紹介してきましたが、何も1億円すべてを投資商品1つに絞って運用する必要はありません。

長期・積立・分散投資の重要性」の章でも解説しましたが、1億円の投資対象を複数に分散させて資産の損失リスクを最大限に抑えることが大切です。

分散投資を考える際に必要なのが、様々な運用先への資産の分散割合を示した投資ポートフォリオの作成。

あなたが1億円の資産を何パーセントの利回りで運用していきたいかを基にポートフォリオを作成します。

ちなみに、1億円を何%ほどの利回りで資産運用するべきか分からない方は、マーケットの相場感を参考にすると無理のない目標設定が可能です。

例えば、日経平均株価の平均リターンが約3~5%程という点を考慮しても、1億円を運用するなら無理なく3~5%を目安にするのがバランスが良いと言えそうです。

また不動産を例に出すと、現在は都内の賃貸物件で利回り4%台、地方であれば5%強が相場感です。


(引用:一般財団法人 日本不動産研究所

ではここまでご紹介した内容を元に、期待利回り3%・5%、そしてもう少し積極的にリターンを狙いたいという方のために7%で作成した1億円の投資ポートフォリオ例を見てみましょう。

目標利回り3%のポートフォリオ例

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定期預金40%4,000万円
債券40%4,000万円
高配当銘柄20%2,000万円
1億円を目標利回り3%で投資した場合のポートフォリオ

目標利回り3%の1億円投資ポートフォリオは、元本保証の定期預金とローリスクの債券中心で構成しました。比較的安全な運用方法で堅実に資金を増やしたい人におすすめです。

こちらのポートフォリオで1億円を10年間、利回り3%で運用できたとすると、運用資産は約1億3000万円(+3000万円)まで増える計算になります。

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運用年数築ける資産額
3年目約1億927万円
5年目約1億1,592万円
10年目約1億3,439万円

定期預金で運用する場合、比較的利率の高いネット銀行を利用するなど、工夫をすると良いでしょう。

債券に関しては、リスクを取れない方は、経済破綻する可能性が極めて低い「個人向け国債」がおすすめです。

株式の高配当銘柄は、配当利回りが3%を超えるものや一部6%超えなどの高利回りな銘柄もありますので、会社の将来性や指標と合わせて吟味したいですね。

目標利回り5%のポートフォリオ例

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REIT35%3,500万円
高配当銘柄40%4,000万円
社債25%2,500万円
1億円を目標利回り5%で投資した場合のポートフォリオ

目標利回り5%の1億円投資ポートフォリオは、ミドルリスクで積極的に資金を増やしたい人におすすめ。

上記のポートフォリオで1億円を10年間5%の利回りで運用できたとすると、運用資産は約1億6000万円(+6000万円)まで増える計算になります。

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運用年数築ける資産額
3年目約1億1,576万円
5年目約1億2,762万円
10年目約1億6,288万円

年利5%の1億円投資ポートフォリオでは、株式投資や債券のほかにREITも運用先として有効です。

不動産投資だと物件の選定や購入に手間がかかるのに加え、その後の物件の管理も継続して行わなくてはいけないので、人によっては現物投資よりも株式のように手軽に売買が出来るREIT(リート)の利用を考えても良いですね。

目標利回り7%のポートフォリオ例

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ヘッジファンド100%1億円
1億円を目標利回り7%で投資した場合のポートフォリオ

7%以上の利回りを狙うなら、1億円の運用はヘッジファンドなどの投資のプロに丸々お任せするのが良いでしょう。

上記の1億円投資ポートフォリオで1億円を10年間、7%の利回りで運用できたとすると、運用資産はほぼ2倍の2億円近くになる計算です。

スクロールできます
運用年数築ける資産額
3年目約1億2,250万円
5年目約1億4,025万円
10年目約1億9,671万円

もう少し安全な道を進みたいという方は、1億円のうち半分の5000万円をヘッジファンドで10年間運用するだけでも約4000万円の利益が期待できます。

まとめ

今回の記事では、1億円の預け先・資産運用先11選、そして、資産運用を始めるべき理由やメリットなどをご紹介しました。

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運用先期待利回り1億円を1年間運用した利息
普通預金0.001%~0.2%1,000円~20万円
定期預金0.002%~1%2,000円~100万円
債券0.05%5万円
投資信託3~4%300万円~400万円
ヘッジファンド10%~1,000万円~
不動産投資4~5%400万円~500万円
REIT3~4%300万円~400万円
株式投資4~5%400万円~500万円
ソーシャル
レンディング
4~6%400万円~600万円
ロボアドバイザー1~10%100万円~1,000万円
-円

この記事が、皆さんの今後の資産形成のお役に立てれば幸いです。

この記事を書いた人

お金をラクに作る資産運用メディア「カネラク」の編集部。編集部内には長年資産運用をしているものが多く、実体験や経験をもとにコンテンツの正確性を担保しています。

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